日経の谷口悟朗インタビュー要旨
第一回:「やればできる俺」という欲望
- 学校の先生に取材し、若者の「求めるもの」をリサーチした
- 人間の普遍的な欲求は「外に出したい(感情表現など)」と「取り込みたい(知る・考える)」
- 具体的に求められている表現要素は「万能感」
- 近時は自分に対して根拠無き自信を抱くようになってきている
第二回:「世界は自分に優しくない」という解毒剤
- 万能感に反して社会は自分を中心に回らない→背後から人にやらせるだけという万能さが理想になっている
- コードギアスはその理想像を主人公にしつつ、展開としてその万能感を否定している
- 作品の基本定義は「世界は自分には優しくない」
- 「都合の良い世界」にしないため、登場人物のコミュニケーションは全て一方的で相手と噛み合わないようにしている
第三回:「快感原則」を忘れるなかれ
第四回:「お前は分かっていない」に負けるな
第五回:嫌われる覚悟が、売れる作品を作る
- アニメの武器は実写でできない表現(ロボット・魔法など)
- ただし最近のCG技術などで独自性は弱まりつつある
- 「手書き」のアニメは減っていく
- 国内の若手育成が追いついていない
- アニメーターの映像原体験が3Dという時代になった
- 納品意識に欠けるアニメーターが増えた
- 情報の創作を面倒がるクリエイターが増えた
- 最もアニメ向きの表現はロボットと宇宙
- 売れるためには、一定(黒字に必要な分)以上の客は切り捨てる必要
- コードギアスの表現はオールド・アニメファンからは理解されず、表層や修飾部分しか見てもらえないだろう
- 速すぎるストーリーテンポも犠牲になった部分の一つで、これを受け入れられない視聴者も多いだろう
第六回:私は“いらない”人間。だから勝負できる
- いつでも切り捨てられかねない人間だからこそ、一定の客を切り捨てられる
- 売れなかった責任をとらせやすいから、次の作品に繋がる
- 自分(谷口)は毎回「(売れなかったら)今回で最後」の覚悟をしている
- 視聴者と対等な立場にいるためには、他のスタッフとも対等である必要がある
- 自分(谷口)は暴走しやすいので、客観的にダメ出ししてくれるスタッフが大事
- 自分(谷口)の軸は視聴者
おまけ:id:retlaがなるほどと思った言葉
- 抑圧した上で、突き破ろうとして出てくるのが個性