未来日記 #09「着信拒否」

人殺しまくりの問答無用っぷりを押してきたのに、突然のコイントスゲーム。
日向からすればこんなゲームに乗っかる意味も何も無いわけだけど、善意に解釈することも可能。
そもそも日向は本来の日記所有者ではないし、「日記破壊=死」「他の11人全員殺さないと神になれない」というルールを知らない可能性が高い。もし知っているなら、遅かれ早かれ日記所有者は全て殺すことになるわけだから、雪輝の日記は目当てじゃないとか、秋瀬に「携帯を渡せ」と言っている時点でおかしい。
これ以前に犬を使って人を殺していたのは10thであって日向ではないし、おそらく日向は、雪輝はもちろん秋瀬もできることなら殺したくないと考えていたはず。普通の女子中学生が、自分の命がかかってるわけでもないのに効率がいいからと言って殺人を選ぶわけがない(由乃を除く)。全く無関係のまおが共犯者だったのも大きい。
というわけで、平和的に日記だけ手に入れられるならそちらを選びたいと日向が思ったとしても不思議じゃない。


更にこのコイントスゲーム、演出的にも面白い効果がある。
今まで血みどろの戦いだったところに、秋瀬の登場で一転して平和的な読み合いゲームになったわけで、秋瀬が由乃と対照的なキャラであることが印象付けられるし、圧倒的に不利な状況から対等なゲームに持ち込むという秋瀬の有能さもよく分かる。


コイントスゲームの中身だけど、最後のコイントス、秋瀬は50:50の純粋なギャンブルだと言ってたが、実は全然そんなことなくて、秋瀬からすれば圧倒的に勝率の高い勝負だった。
雪輝に誤情報を与えることで日記の予知を誤らせることができるのであれば、雪輝に「右手が正解。秋瀬の負け。」と思わせることで、日記にもそう書かれる。とすれば、「日記の記載が真実に反する」という可能性の抜けている日向としては、「日記通りに右手に持つ」か「日記が書き換わることを予想して左手に持つ」しか選択肢がない。
日向は、既に2回も日記と逆に持って負けている。まして秋瀬が日記所有者でないと明らかになった以上、あえて日記に従わないというのは心理的には非常に難しい。
つまり、50:50ってのも日向に「完膚なきまでに負けた」と思わせるためのハッタリ。由乃もそれは当然分かってただろうから、「賭け」と言ったのは、「日向が秋瀬の意図に気付く」可能性もあり、「雪輝への誤情報で日記を操れる」かどうか未確認だったからだろう。


カヲル君秋瀬があの短時間で未来日記の性質を把握しきってるってのはすごすぎるけど、世界的探偵志望なら当然、なんだろうねきっと。