ローゼンメイデン・オーベルテューレ 後編「虚飾 Eitelkeit」

水銀燈がああなってしまったのは全部真紅のせいか。この辺の変化は良く描けてたと思う。第1ドールとは言っても、本来水銀燈ローザミスティカを持たない作りかけ、つまりは初期の失敗作で、ローゼン自身も水銀燈ローゼンメイデンとして動くとは思ってなかったと。何かの事情で真紅を作ったところまでで場所を移して、その際打ち捨てておいた水銀燈を置き去りにし、移動先で雛苺を作った後行方をくらませたってとこか。水銀燈が最初うまく動けなかったのはローザミスティカが無かったからか。
水銀燈ローザミスティカを持っていないことに気付いてた真紅は、無自覚に水銀燈を下に見ていて、それが口惜しい銀様、真紅のブローチを破壊。怒った真紅が銀様を「ジャンク」呼ばわり…。どう考えても真紅が悪者です。本当にありがとうございました。水銀燈が真紅を恨む気持ちはよく分かるなぁ。これを考えると、トロイメントで真紅が不戦訴えてるのは、水銀燈から見れば「何を今更」って感じだよな。真紅の方で何があろうと、真紅が水銀燈にしたことは変わらないんだし。
あーでも逆に、真紅の方からすれば水銀燈ローゼンメイデンと認めなかったのも分からないではない。真紅の場合、アリス=究極の少女という考えだから、常に完璧主義。未完成の水銀燈ローゼンメイデンとして認めるのは色々根本的に考え方を変える必要がある。ローゼンへの愛だけで動いて、ローゼンメイデンであることを望み続けた水銀燈とは、どうしたって反発するわ。


しかし、それはそれとして、あの時点でローザミスティカを与えるなら、ついでに腹部も修復してくれりゃ良かったのに、ローゼン。何か事情があったのか、ローザミスティカとローゼンの意思は無関係なのか…。まぁトロイメントの最後で修復してるのからすれば、後者の方がしっくり来るけど。やっぱ必要だな、第三作。
あと、どうやら人形師は不老不死みたいね。弟子の槐が生きてるなら、ローゼンも生きてるか。