放浪息子 #03「ロミオとジュリエット 〜Juliet and Romeo〜」

単なる趣味なのか病気なのか分かりにくかったけど、今回のブラジャーの件からすると、少なくともよしのに関しては男装癖ではなくて性同一性障害みたいだ。修一の方はまだちょっと微妙だけど、こっちも性同一性障害っぽいかな。
しかしなぁ、このグループはどうも気持ち悪いな。
この気持ち悪さの正体は、多分「秘密」の共有範囲が広すぎるところにあるんだろうと思う。
なかよしグループのメンバーはみんな知ってて、姉にもバレてて、秘密というには既に拡散しすぎてる。にも関わらず、どうやら親には知られてないようだし、ぶっちゃけてしまうほどの勇気はない。
何が気持ち悪いって、この内輪に閉じこもってマイノリティ・被差別者としての傷を舐めあう様子が気持ち悪い。自分達だけの世界を構築して、そこに閉じこもることである程度の安楽を得ているのに、それでいて被虐者であるという地位も捨てずに自分を哀れもうとしているように見える。
まるで落ちこぼれ同士が「俺赤点だったわー」「俺も俺も」「俺なんて10点w」とか言い合ってるかのようだ。仲間がいることに安心して、落ちこぼれてる状況を打開しようとはしないし、団結をいい方向に向けようともしない。
一番酷いのが誠で、こいつの言動は、修一を見て自己肯定しているようにしか見えない。自分を修一という鏡に映して、「こいつも女装してるし問題無い」「自分はまだ軽度」と言い聞かせたり、あるいは修一の女装を肯定することで「付き合いで女装してる」という名目を得ようとしている。
孤立して悩むわけでもなく、周囲の理解を得ようと努力するわけでもなく、中途半端な範囲のコミュニティで閉じようとしている様子が、全体的に漂う気持ち悪さに繋がってるんだろう。