ノーゲーム・ノーライフ #03「熟練者」

困ったことに、相手のイカサマが全く分からない。
ゲーム内容を決めるのは相手の女。相手の女は「駒が意思を持ったチェス」とだけ説明してゲームを開始した。それに対して空は何の質問もせず、説明も求めなかったわけだから、このゲームはほとんどルールを決定しないで(又は決定しているルールを空が把握せずに)開始している。つまり、どんな不公正があろうと魔法を使おうと、ルールに反しているとはいえないわけで、イカサマにもならない。「イカサマを証明できない」とかいう以前の問題。
そもそも、「チェスか」と勝手に決めつけてるけど、異世界に来てるのに自分の世界の同名ゲームと全く同じルールだと思う方がどうかしてる。「チェス」というゲーム名を示しただけでは元の世界のチェスと勝利条件が同じかは分からない。仮に、キングを取ったときではなくて「特定のマスに特定の駒が移動したら勝利」という特殊ルールだったとしても、確認してないんだからそれを糾弾できない。
ルールを逆手に取ったり裏をかいたりして戦う展開は前回の時点で諦めていたけど、ここまでゲームや絶対遵守の誓約そのものが破綻しているとなると、勢いで押し切って楽しむということも期待できない。主人公が周囲をバカ扱いしながら間抜けすぎる勝負をしているからキャラの魅力にも欠けるし、世界観に合わないパロディをいちいち入れてくるし、もはやツッコミを入れることでしか楽しめない感じになってきた。