親友

「親友」って何なんだろう。ただの「友達」より仲がいいってことなんだろうか。でも、「仲のいい友達」は「親友」とは言わない気がする。正直、誰かを「親友」だなんて呼ぶのは恥ずかしい。それにそれ以外の友達と差を付けてしまうようで、嫌な感じもする。一体何をもって「親友」と言うんだろう。
たとえば、ほとんど物心ついたときからの友達がいる。彼らとは今でもしょっちゅう一緒に遊んだりする。たくさんの経験を共有してきたし、趣味とか考え方もお互いに大体分かっている。そういう共通のコンテキストを持っているから、人間は他人と親しく出来るんだと思う。
今は子供の頃と違って、お互いの予定を合わせて遊びに出かける。そうやって定期的に会うたび、この関係はいつ頃まで続くんだろう、とか考えたりする。仕事に就いたくらいじゃ変わらない気がする。たとえば勤務地が別の土地になっても、実家に帰れば会おうかということになりそうだ。結婚するまでだろうか。うん、結婚してしまったらあまり幼馴染みと会って遊びに行くなんてことも無くなってくるかもしれない。実家に帰ることも少なくなるだろうし、何より休みには家族との時間の方が大事になるだろう。
しかしそれでも、やっぱり機会があれば会って飲みに行ったりするんじゃないだろうか。中年になっても、会えばガキの頃と同じように親しくできる気がする。何となく、そんな気がする。
これは、親友と言えるかもしれない。こういうのが親友ってことなのかもしれないな。他の友達を親友と呼べるかどうかはともかく、少なくともこいつらは親友と言っていいかもしれない。親友の定義は全然分からないけど。


…なんてことをボーっと考えてたら、人間関係って不思議だなぁと思った。