ユビキタス・コンピューティングの形

ネットとコンピュータの発達で、家電にも複雑な機能が備わり、各家電が無線LANなどで連携を取れるようになってきています。たとえば、テレビとHDDレコーダー、オーディオ、パソコンなどは既にかなりの連携を取っています。いずれは家庭内のあらゆる電化製品が繋がっていくんだろうな、と楽観的に進歩を期待しています。
で、そういうユビキタス社会の形として、これだけは必要だな、と思うこと。

  1. コンピュータ環境の「背景」化
  2. パソコンに依存しない

1.は、自分を囲んでいる家電やそのネットワークを意識させない、ということです。単純に目に見えないということだけではなく、あたかも昔からそこにあった物のように、当たり前のように使えるようにするということです。具体的には、まず第一に操作の簡便さ。今のHDDレコーダーなどは、まだまだマニュアルを熟読しないと使いづらいものが多いです。必要最低限の機能は、全くの直観のみで使えるようにしないといけません。そして第二に、配線や増設の煩わしさの排除。とりあえずケーブルは無くしていくか、又は互換性の高いケーブル一本で全部リンクできるような状況が望ましいです。更に、新しく別の家電を入れたときに合わない、繋げられない、といったことがあってはいけません。互換性と拡張性が必要ということです。
2.は、もっと重要です。パソコンは便利ですが、それに依存していてはいつまで経っても「パソコンの延長」から抜け出せないと思います。もちろん、パソコンとの連携はとても大事ですが、そうした連携を取りつつも、なおパソコンからは独立した機能や操作性が理想だと思うんです。
たとえば、「テレパソ」などは個人的にはあまり良くないと思います。何故なら、テレビを見るためにパソコンを起ち上げる必要があるものだと起動に時間がかかったりCPUファンの音がうるさかったりしますし、テレビ用の電源が別になっているものでも、他に様々な用途のあるパソコンをテレビで塞いでしまうことになるのは厄介です。そもそも、一人暮らしならともかく、テレビとパソコンでは本来的に使用する場所が異なるもののように思います。やはり、パソコンとテレビは分離した上で、パソコン・テレビ・HDDレコーダーが場所を選ばずシームレスに繋がる、というのが理想ではないでしょうか。その点、松下のHDDコンポなんかはいい方向性だと思います。


「一つで全てができる」のではなく、「一つのことだけを完璧にできるもの同士が完璧にリンクする」状態こそが理想というわけです。パソコンはその「上」ではなく「中心」にあるに過ぎないのです。