戦争のつくりかた[ref.](via.はてなブックマーク)

( ´,_ゝ`)プッ
と冷笑だけしてみても意味がないので、ちょっとだけ言及。
確かに、戦争反対という考え方はそれでいいんだけど、はっきり言ってこういう思想の刷り込みはどうかと思う。こんなものはエセ左翼の自己満足に過ぎない。子供達に対するメッセージとしては意味も意義も全く無い。何故なら、この絵本には「何故戦争がいけないのか」が全く説明されていないからだ。どこを読んでも何も書いていない。あるのは、戦争が始まり、総力戦になった場合の社会状況の説明だけ。人権のイロハも分からない子供に、そんな事を聞かせてどうしようと言うのか。こんな事を長々と書くくらいなら、「戦争は、ダメ、絶対」と言う方が遥かに簡潔で分かりやすい。中身は同じだ。
しかし、実際のところ「ダメ、絶対」と子供に教えるのは良くない。薬物は取り返しが付かなくなるからやむを得ないが、思想に関してこれをするのは、単なる思想教育でありそれこそ自己実現の阻害だ。偏見と狭窄的思考を招く。教えるのなら、戦争が何故起きるのか、何のためにあるのか、どんな意味があるのか、というところまで客観的に教え、自分で考えさせなければならない。一定の事実から思考を重ねた上で、論理的に「だから戦争は良くない」と結論させなければならない。仮に「戦争は仕方ない」という結論に至ったとしても、それを否定せず、尊重しなければならない。それは一つの真実であり、そこに辿り着いた子供はむしろ冷静に物事を見定めることができている。半狂乱になって拡声器に口をあてている大人達より遥かに安全だ。
それに、もしただ単に思想教育を施したいというのであれば、こんな絵本よりも戦争体験者の話を聞かせる方が遥かに効果的だ。子供は人の感情に影響されやすいから、恐らく涙の一つでも見せればすぐに同情して、安易に「戦争反対」という思想を持ってくれることだろう。ただし、そうして安易に作られた思想は、極めて脆い。少しでも何かを考えるきっかけが与えられれば、簡単に崩れていく思想だ。そんな弱い思想を植え付けられた子供達が本当に正しい思考を持てるのか、それこそよく考えるべきだ。