ネット環境を前提にするのが間違い

オタの地域格差?みたいなのが言われるけど、正直全くピンと来ない。ネットがある今地域格差なんてどこにあるのか?
(中略)
ていうか、ネットが広まった今になってこんな事が言われるのがなんか変な感じ。少なくとも前よりは確実に狭まってるだろうに。

最近というかちょっと前から

オタの地域格差なんて議論は知らんが、「ネットがあるから地域格差なんて無い」という思い込みは改めた方がいい。そこで前提になっている「ネットがある」という環境自体、大きな地域格差を抱えているのだから。
先に言っておくと、ここで言いたいのは、プロバイダのサービス範囲に含まれないとか常時接続が使えないとか、原理的にネット利用不能な場所についてではなくて、利用可能だけどしない地域について。
確かにネットはかなり普及している。年々格差が縮小しているだろうことも否定しない。だが田舎に行けば、まだまだPCさえ持たない人ばかりの所もある。現に自分の近所でネットを活用している家なんて数えるほどしかない。田舎は田舎だが、別にど田舎というわけでもなく、1時間もかからず東京へ出られるし、やろうと思えばその翌日から常時接続を始めることもできる。それでも誰もそうしない。年寄りばかりなわけでもないのに。理由は多分、こんな感じだと思う。

  1. PCを持っていない
    • PCの必要性を全く感じない
      • 仕事が非事務系で使ったことすら無い
      • 無くても全く困らない
      • 活用法を想定できない
    • PCは高価(必需品と感じていないから、かなり割高に映る)
    • 学校や図書館でたまに使えれば十分
    • 携帯電話で満足
  2. ネットに有用性を感じない
    • PC買わないと使えないし…
    • 利用するのに毎月何千円もかかるし…
    • メールとかちょっとした調べものは携帯電話でできるし…

ブログを書いたりするようなネットユーザーには理解できないだろうか。だが実際こんなものだ。「今時PCは安いよ」「日本のネット料金は格安」という感覚自体、ずれている。こんなに安いのにどうしてXbox買わないの!?と言ってるようなもんだ。必要の無いものに万単位の金を出す人間はいない。
PCやネットを使えないのは年寄りだけだろ、と思うのも間違い。年齢は関係ない。むしろ、最近では携帯電話のWebが便利になってきてるので、逆に若ければ若いほど、家にPCが無い場合には携帯電話で満足してしまう。あるいは、PCを持っていても、「金がかかるから」という理由でネット環境を整えない友人もいた。必要なら大学のPCを使うから、自宅でネットをする必要がないのだ。
ちなみに、ネットを引いていてもあまり活用しない、という人も多い。単に興味が無い人もいれば、仕事が忙しくてネットに時間を割く気が起きないという人もいる。自分の身内には、SEでありながら去年の段階でmixiを知らない人もいた。仕事するようになってからめっきりネットに疎くなった人もいた。そういう人には、格差を縮めるようなネット使い方が分からない。ツールを「知らない」ことは、それが「無い」のと同じだ。


ネットを活用している人間は、情報の収集や表現を多くネットに依存しているから、無意識にネットの中でしか通用しない「前提」を一般化してしまう。もっと言えば、ネットの活用度も多くの人が自分を基準にしている。都会人があまり自動車を必要としない*1ように、田舎人はあまりネット(PC)を必要としない。
ネット環境があって当たり前という考えは、まだまだ通用しないものだと知っておくべきだ。

*1:田舎では「一人一台」が普通だということも付記しておこう。