大西科学::ジョン平とぼくと3 ジョン平とぼくらの世界

(注)ネタバレあり
最終巻にしてセカイ系の様相を呈してしまったな。
魔法の本質とは「人為選択」に他ならず、多くの人間が同時に同じ世界像を望むことでそれが実現する。本来は大勢が真摯に願った結果の奇跡でしかなかった。しかしかつて存在したカリスマによって、大衆が「誰でも使える魔法」を望み、今がある。
ジョン平の能力は反魔法素を出すこと。魔法素を打ち消して魔法を無効化すると同時に、無数にあるパラレルワールドとの間の「穴」を固定化する。ブラウの感染で人の理性たる使い魔を遠ざけ、その間にロォトの洗脳で集団を人為選択に向かわせる。そしてジョン平の空けた穴から望む世界へとシフトする。それが城塚の計画。
しかしまあ何というか、結局ジョン平は役に立たないわけで。その緩さはいい。重は鈴音のこと未だに好きだったのかーとか、三葉は結局流浪のままかーとか、城塚さやとの恋愛フラグほぼ皆無かーとか、もう色々可哀想でしゃーない。三葉とはもう暮らせないってのがほぼ確定ってのも泣けてくる。おまけに三葉とオーランジェは馴致が退行して知能も寿命も普通の動物に近づくとか言ってたよな…。ただでさえ死ぬまで流浪せなならんのに、これはあんまりだー。
三葉可愛いよ三葉な自分にはやや心残りがあるけど、とりあえず面白かった。めでたしめでたし。