アニメバブルとアニソン
過去に例を見ないアニメバブルが発生している。
地方・衛星等を含めて60本という異常な数の新規作品が放映され、玩具メーカーに止まらずあらゆる分野の企業が多大な恩恵を受けている。そんな状況の中で、一際目に付くのがアニソンの売り上げ向上だ。オリコンを見てみればすぐに分かるが、多くのアニソンが発売直後に週間ランキングで上位に入っている。多少ネット潜水深度が大きい人なら「涼宮ハルヒ」の「ハレ晴レユカイ」がオリコン2位となったのは知っているかもしれないが、その他にも同じく「涼宮ハルヒの憂鬱」の涼宮ハルヒの詰合、「いぬかみっ」の「ヒカリ」・「Believe My Love」、「シムーン」の「美しければそれでいい」、「.hack//Roots」の「亡國覚醒カタルシス」など、たくさんのアニソンが上位に食い込んでいる。
これらは、ガンダムSEEDや鋼の錬金術師、BLOOD+などのような「POPミュージックがアニメとタイアップした」のとはかなり性質が違う。すなわち、いわゆる「アニソンシンガー」や「声優歌手」ばかりなのだ。一応分類してみると、上記の例は以下のようになる。
アニメ | タイトル | アーティスト | アニメとの関係 |
---|---|---|---|
涼宮ハルヒの憂鬱 | ハレ晴レユカイ | 涼宮ハルヒ(平野綾)他 | (キャラクターとしての)声優 |
涼宮ハルヒの憂鬱 | 涼宮ハルヒの詰合 | 涼宮ハルヒ(平野綾)他 | (キャラクターとしての)声優 |
いぬかみっ | ヒカリ | 堀江由衣他 | 声優 |
いぬかみっ | Believe My Love | Aice5 | 声優歌手グループ |
シムーン | 美しければそれでいい | 石川智晶 | アニソンで大ヒット、以降アニソンシンガー |
.hack//Roots | 亡國覚醒カタルシス | ALI PROJECT | 独自活動が基本だが、アニメ提供も多くアニソン界で有名 |
これらが売れた原因は何か。
ハルヒは、2chが動いた+ハルヒ信者の購買力が高かったと考えられる。いぬかみは、堀江・Aice5信者の層が厚かったのかもしれない。アリプロは、アニオタでなくともファンは多い。石川智晶はどうか。異常なまでの低視聴率だったシムーンが多くの視聴者を獲得したとも思えないから、See-Sawで売れたために石川智晶が単独で固定ファンを得ていたのかもしれない。
いずれにせよ言えるのは、今までに比べてアニソンを聴く層が格段に広がった、ということだ。それはすなわち、アニメというものが一般化しつつあるということではないだろうか。アニメバブルの中で、突如手広くアニメを見る層が増え、あるいはそこから非アニメファンに対してもアニソンがPOPミュージックの一部として受け入れられるようになったのかもしれない。
今のアニソンは、正直中身も普通の流行歌と変わらない。何故なら、現在は当該アニメ固有の単語を使わずに、曲調や一般的な詞でテーマを表現するのが主流だからだ。多分、カラオケで歌っても何も知らなければ一般人には分からないだろう。そういう面も、アニソンの売り上げ向上に寄与しているのだろう。
この勢いで、初対面の人とのカラオケでもいきなりアニソン歌えたりできるようになればいいんだが。