仮面ライダーカブト #48「天道死す!!」

おお、なるほどね!そういうことか。「赤い靴」システムとかすっかり忘れてたけど、ちゃんと消化する予定の伏線だったのか。ちょっと全体像をまとめてみよう。



ワームには、渋谷隕石由来のものとそれ以前の隕石由来のものがいて、後者はネイティヴと呼ばれる。とりあえず便宜のために前者だけをワームと呼ぶことにする。ワームは人間を襲って擬態すると、その後も次々と人間を襲い、勢力を拡大しようとする。一方ネイティヴは一度擬態するとその後は元の人間の人生を平穏に引き継ぎ、特に集団で人を襲うことはしない。また、ワームはネイティヴをも排除しようと襲いかかってくる。
天道総一郎と加賀美陸は、ワームに対抗すべく、ネイティヴを守るという条件でネイティヴの力を借りてマスクドライダーシステムを開発、ゼクトを組織する。ワームを倒す秘密組織のゼクトは、実は技術提供元であるネイティヴの言いなりに動く組織だった。
ところが、ネイティヴの親玉である根岸の真の目的は、「全ての人類をネイティヴに変えてしまう」こと。「侵略」と「同化」という手段の違いはあっても、地球を自分達のものにするという目的は同じだった。この「同化」技術の最初の被験体となったのが、現在天道に擬態しているネイティヴ(擬態天道)。擬態天道は元人間だったが、天道に擬態させられ、何年も劣悪な実験体として過ごしたためか、あるいは「同化」技術が未完成だったためか、その記憶を失っていたようだ。
陸らも、根岸の目的には気付いていた。そして、マスクドライダーシステムに「赤い靴」すなわち暴走システムを密かに組み込む。ゼクトという組織はネイティヴの掌中にあり、ネイティヴの「同化」はワームという外敵が存在する以上理解されにくい。そこで、あらゆる指揮系統と無関係にネイティヴを含むワームを倒すシステムを用意していたのだ。様々なゼクターが組織と無関係な人間の手に渡っていたのも、適性という以上にネイティヴの支配から外す目的があったのかもしれない。陸が35年もの間ネイティヴに対し卑屈に振る舞ったのも、この暴走システムを隠し通すためだった。ところが、暴走システムの存在は根岸の知るところとなってしまう。根岸は陸を切り捨て、自らのネイティヴ化を望む三島と結託する。
天道は、根岸の目的に気付いており、「同化」を促す「ワーム探知ペンダント」を破壊して回っていた。当初天道を信じず敵対した加賀美も、失脚した陸の言葉で事実を認識する。すなわち、仮面ライダーは人類を自らに「同化」させようとするネイティヴを倒せる唯一の力である。人類にとっての敵は、既にネイティヴへと変わっていたのだ。

ここで重要なのは、渋谷隕石由来のワームだからといって必ずしも悪いとは限らない、ということも描かれてることだな。剣や、大介が倒した女性など。その上で、目に見えない侵略を行うネイティヴがいる。これは何とも裏のある話だな。
ゼクターの持ち主も、かなり陸の思惑が作用してるように見える。カブトとガタックは35年前から決定してあったんだろうけど、ドレイクは風来坊の大介に、サソードはプライドが高く組織の下に入ろうとしない剣に、ホッパーは組織を抜け、恨みさえ抱いていた矢車に。


さて、地獄兄弟の弟、影山君は、ワーム探知ペンダントのせいで早くもネイティヴ化してしまい、ホッパーに変身した上で矢車に自分を倒してもらう。剣もそうだったけど、これは「自分が自分であること」を貫いた結果だったのかもしれないな。
次回が最終回なのに今回登場しなかった大介は、どうなるんだろ。こいつはワームに恋する話で掘り下げが終わってるから、最後にちょこっと協力させるだけでも問題ないけど。矢車は、あれどうするんだろ。最後の戦いで出てきて協力してくれたりしそうな雰囲気ではあるけど。