大西科学::ジョン平とぼくと4 ジョン平とぼくときみと

「ジョン平とぼくと」の後日談を含めた短編集。設定や1-3巻のストーリーは前提になってるから、忘れてるとちょっと読みにくいかも。
それにしてもキャラ達が可愛すぎる。各エピソードごとに視点キャラが違うけど、基本的に恋人未満恋愛がメイン。これなんて中学生日記?と思ったが、そう言えば彼らは高校生だっけか…。三葉編は色々と不安の残るエピソードだったけど、学校の方の話は読んでてニヤニヤすること請け合い。
本編での報われなさに反して、この短編集での重のもてっぷりが面白い。本編で酷い目に遭ってるからこそ、もてっぷりが楽しい感じ。雨弓もいいけど、文月もいい。残念ながら文月は軽音楽部の男と付き合ってるようだが、気に入られてるのは確かか。
しかし、雨弓と重の関係が本編終了後の妄想そのまんまで笑えた。これが深夜アニメとかなら、ここで男子生徒達と同じように「雨弓は俺の嫁、重は俺の敵」とか思うのが通常のオタク的反応だろうけど、こと「ジョン平とぼくと」に限れば、雨弓より重の方に萌えてしまう。泣きじゃくりながら額を胸にぶつけてくる雨弓よりも、そうされてわたわたする重の方に意識が行く。
それもこれも、1巻と2巻で酷い目に遭ったからこそだなぁ…。
ちょっと中身の話をすると、幽霊話編は真相の方が曖昧だった。他にも、何だかよく分からないという印象の部分がちらほら。ただ、本編もそうだったように、この作品はそういうところを楽しむものではないので無問題。じいさんが孫を見る目で各キャラを愛でるのが吉。ほのぼのなんて性に合わないという人は、雨弓のデレっぷりだけ楽しんどけばいい。