紅 #05「望み」

本当に素晴らしい会話劇アニメだな。
RED GARDEN」も同じくプレスコによる会話劇アニメだったわけだけど、「RED GARDEN」は話の内容が非常に暗かった。なのでリアルな会話劇になるほど、視聴者の方も気分が落ち込む。それに対して「紅」の方は、(アニメ版では)テーマが家族愛とか絆っぽいものなので、会話劇にも明るさがあり、聞いてると思わずニンマリしてしまう。
たとえば、「RED GARDEN」でも「紅」でもセリフが重なるほど激しい「口論」のシーンがあるが、前者ではピリピリしてしまうのに、後者ではそうならない。会話の中に敵意のようなものがあるか無いかという違いだと思う。
こういう会話劇の面白さを受け入れられる層は割とマニアックな部類に入るのかもしれないが、個人的には今期トップ3の1つに入るくらいの良作だと思う。


ところで、アニメ版は原作と大分違うらしい。
まず、原作小説では、紫が真九郎に異性としての好意を寄せていく、というのがメインに据えられてるらしいが、アニメ版ではどちらかというと男女ではなく家族としての関係性が強い。テレビから色々な知識を仕入れ、影響される紫と、家庭内ルールを守らせようとしたり自分の都合でテレビ番組を選別している真九郎は、まさに親子そのもの。周囲の人間模様もあわせて、「みんなで紫を温かく見守るアニメ」になっている(少なくとも現在までは)。
更に、時系列も弄られているらしく、原作では崩月家訪問→対ヤクザ戦という流れだったとか。知っての通りアニメでは順序が逆になっている。アニメ版を見る限りこの順序逆転は全く違和感が無い。
原作ではこの後能力者がわさわさ出てきて異能者バトルものになっていくらしいが、これだけ改変していて、しかもたった1クールしかないんだから、その辺はざっくり切るんじゃないかと思う。最後まで「真九郎と紫のなごやか家族作戦」で通してくれることを祈る。