『ハリー・ポッターと死の秘宝』読了

今更最終巻を読み終えた。以下ネタバレあり。
なんつーか、最後の最後でスネイプ感動物語になってしまったね。
ダンブルドアは傲慢で権力欲が強くて自分本位な天才でしかなかった。愛とか語ってた割には、常に愛より自己利益優先で動いてる。妹の死を後悔し続けてたって言うけど、後悔するだけなら誰でもできるし。弟のアバーフォースの言い分の方が正しい。
一方スネイプはすごい。ホグワーツ入学前だから10歳以下の頃からリリーに惚れてて、一番憎いはずのいじめっ子ジェームズと結婚した後ですら想い続けて、それどころか彼女が死んだ後ですら「リリーの子供」というだけでハリーのために命懸けの二重スパイを続けた。死ぬまで愛してもらえなかったのに、死ぬまで想い続けた。まさに愛の戦士。
ただ、一つ惜しいのは、スネイプの記憶の手に入れ方。自分でハリーに記憶を渡したんじゃ、死の間際に弁解を聞いてもらいたかったみたいに見える。そこは、死んでも真意など見せるかって態度の方が格好良かったのに。仮にハリーに最後の仕事を教えるためだったとしても、わざわざ最愛の女性の子を死なせるためにそうしたって言うんじゃ、どうもしっくり来ない。
スネイプの記憶はこじつけてでも別の方法で入手させるか、そうでなければハリーの生き残る方法が偶然でなくスネイプの狙い通りだったとでもしてほしかった。


ローリングは最終巻で3人の誰かが死ぬって言ってたのに、途中でひよって全員生かしたんだよな確か。ハリーに取り憑いたヴォルデモートの魂が除去される理屈が無理矢理だったから、あの辺に修正を加えたんだと思うけど、まぁ児童文学だし、身内が十分死んでるからその変更自体は問題無いかな。
音を真似たら蛇語話せちゃいましたとか、名前言ったら居場所がばれるって分かってるのにあっさり名前言っちゃうとか、屋敷しもべ妖精だけは妨害されずに瞬間移動できちゃうんですとか、それが分かっても屋敷しもべ妖精を活用するという発想は全然出ませんでしたとか、杖の知らないところで別の杖を奪っただけでも杖の所有権は移りますとか、ツッコミどころは山ほどあったけど、やっぱり面白かった。