『アバター』[3D字幕]

はっきり言って、世間の評判なんて誇張だろうと思ってた。『ボルト』『カールじいさんの空飛ぶ家』で3Dなんて大したことないと思い込んでた。
確かに、この映像はすごい。飛び出るのではなく、とにかく奥へ奥へと立体感を出している。未来世界ということで、空中に透明のディスプレイが浮かんでいる描写が多いが、これがまた3Dで見ると本当に楽しい。世間で言われてるように、本当に「3Dで観なきゃ損」な感じだ。
もちろん3Dだけでなく、その他の映像技術もすごい。実写とCGの区別が付かない迫力ある映像は、一体どうやって制作したのかさっぱり見当も付かない。
[以下ネタバレ含む]


じゃあストーリーは?というと、まぁ面白いと言えば面白い。
が、一言「白人に勝ったインディアン」で終わる内容。もちろん、そこに至る主人公の変化とかアクションが面白いわけだが、物語全体としては若干陳腐とも言える。劇中で「未開人」「猿」「緑を破壊」というセリフが出てくるなど、何となく白人の過去に対する反動が感じられる。だがその反動が「反撃して力でねじ伏せる」という結末に至っているのだから、全く未来が感じられない。
また、作中でヒロインが森について「誰の味方もしない」と言っているにも関わらず、最後には動物達が原住民に味方する。人類はばかでかい木を倒したりしてるから、植物主導らしき生態系が人類を共通の外敵とみなすのは分からなくもない。しかし、どうにも安易な感じは否めなかった。
まあそうは言っても、アクションならストーリーは浅いのが普通なので、割り切れば普通に面白い。3D表現の方が本質でもあることだし、とにかく一度3Dで観た方がいい作品。