『ドラえもん のび太の人魚大海戦』

SF的には色々わけ分からんところが多かったけど、まあ楽しめたか。
いい加減この作画・声優・ぬる脚本にも慣れたから、「それはそれとして」楽しめるようになった。


しかし、もう登場人物達の発言には「えええ!」ってのが多かったな。
たとえば、ハリ坊が「地上人は我が物顔で資源を絞り尽くし海を汚している!」とか言ってたけど、自分の星汚し尽くして勝手に移り住んできた異星人に言われる筋合いは無いだろ。元々よそ者のくせに我が物顔で住み着いてるのはどっちだ。
怪魚族は怪魚族で、水の中でしか役に立たない剣のために5000年も宇宙放浪するとか暇人すぎる。てか全宇宙を支配できる力があるなら、そもそも昔の王女様が怪魚族に負けるわけないと思うんだが。
そして一番酷いのはドラミちゃん。突然やってきて、怪魚族を見た瞬間の一言。
「なんて醜いの…!」
おいおいおいおい、初対面の相手にいきなり何てこと言うんだこのロボットは!
もっと色々語らなきゃいけない部分があるだろうに、何故そこでわざわざブサメンって言った!?てか別にあの悪玉醜くないだろ!


新ドラもこれはこれで楽しめるんだけど、やっぱりどうも危機感が足りないな。
ラストの方で「兵が半減しました」とか言ってたけど、言葉だけで虚しかった。鉄人兵団なんかは、ひみつ道具と工夫で善戦しつつも圧倒的物量の前に押され、最初から100%勝てないと分かってる状況をうまく描いてた。宇宙小戦争の絶望感、魔界大冒険の心細さ、パラレル西遊記の異常性に対する恐怖、アニマル惑星の潜入スリルなどなど、初期から中期の旧作ドラえもんにあった危機的状況が、新作には無いんだよな。
次の新作リメイクは鉄人兵団らしいけど、鉄人兵団の圧倒的戦力に対する恐怖は損なわないでいてもらいたいな。
まぁ、ザンダクロスの核がヒヨコになってる時点でちょっとアレな気配がぷんぷんするけど…。