Picasa3とWindows Live フォトギャラリー(WLPG)

PicasaもWLPGも、コンセプトはほとんど同じで、タグで画像を管理しようというソフト。
どっちがいいのかは好みの問題だけど、とりあえず両方をざっと使った限りで気になった点を挙げていく。
※比較時点のバージョンはPicasa3.6.0とWLPG14.0.8081.709

軽さ

Win7が入っているようなPC環境を前提にして言うと、どっちも重いとは感じられず、体感できるような差も無かった。
どうやらこれらのソフトで「遅い」と感じるには10万枚とかいうレベルの数の画像が必要らしい。

見た目

Picasaはいかにも高機能アプリという感じで、WLPGはエクスプローラと似たような感じ。
個人的にはすっきりしているWLPGの方が好き。

対応画像

Picasaは基本的にどの画像ファイルも対応している。WLPGはgifを扱えない。

顔認識機能

Picasa3の目玉機能、顔認識。顔認識機能自体はWLPGにもあるが、これの性能差はかなり大きい。
Picasaは、写真の中から自動で顔を認識し、「同じ顔」でグループ分けし、各グループに名前を付けるだけで人物タグを一括付与できる。しかも、顔の認識も認識した顔のグループ分けも、精度が半端じゃなく高い。
一方WLPGは、顔認識はできるが自動分類や一括タグ付けはできないし、顔の認識率もかなり低い。人物タグを付けるには結局一枚ずつ自分で確認して手打ちしていくしかない。はっきり言ってこの点はPicasaの圧勝。
一つWLPGが差別化できているのは、WLPGは一度人物タグをつけると、人物の顔にカーソルを近づけたときにその人物の名前を出してくれる機能があるところ。

キーボード操作

キーボード操作はどちらも微妙なのだが、ショートカットキーの豊富さで若干Picasaが勝るか。

フォルダ管理との相性

これらのソフトを導入する前はフォルダ管理をしている場合がほとんどだと思うが、フォルダ管理との相性についてはWLPGの方がPicasaより数段上と言える。
まず、Picasaは各フォルダを全てフラットに扱うため、階層化されている場合にも、サブフォルダまで一纏めで扱うということはできない。表示自体はサブフォルダどころか全画像をフォルダ単位でフラットに並べており、全選択をしようとすると一つのフォルダ分までしか選択できない(検索をうまく利用すればある程度補完できるが、直感的に細かい指定をするのは無理)。だから、大カテゴリの下に小カテゴリのフォルダを多数作っていた場合、サブフォルダの画像全てに大カテゴリをタグとして付けるのが面倒なことになる。
これに対して、WLPGは基本的にツリーからフォルダを選択するとそのフォルダとサブフォルダにある画像だけを表示し、全選択すればその時表示している画像を全て選択できる。更にツリーの選択はCtrlを押しながらクリックすることでサブフォルダに限らず任意にフォルダ選択ができる。

タグ管理との相性

タグとの相性も、WLPGの方が上だと思う。何故かというと、Picasaにはタグの一覧が表示されないからだ。
選択した画像から「このタグの付いた画像を表示」したり、サジェスト付きの検索でタグを表示することはできるが、タグ一覧は表示することができない。
おそらく、Picasaは「一覧表示しきれないほど大量のタグを付けていき、検索で絞り込む」という使用を念頭に置いているのだろう。しかし、普通はそこまで大量のタグを付けたりしないし、付けたとしても、個人的にはタグの統一性が図れなくなるようでは困るから、一覧表示は欲しい。
ちなみに撮影日時についても、WLPGはデフォルトでツリー表示している。Picasaは撮影日時の分類も個別フォルダ単位なので、あまり役に立たない。

データ管理

タグ情報をどう扱ってるかの問題だけど、以下のような違いがある。

  • Picasa:タグを外部DBで管理
  • WLPG:pngbmpは外部DBで管理、その他は埋め込み

Picasaは外部DBで一元管理できるから、タグデータだけバックアップすることも容易だが、ファイル側でのデータ変化に弱い。
Picasaが初めて画像を読み込むとき、Exifを読み込んで、既に付いているタグも自動でDBに加えてくれるが、その後ファイルのプロパティや他のソフトを使ってタグを削除した場合、Picasa側ではそのタグを保持したままになる。要するに、Picasa以外で弄ると混乱が生じる。
それと、埋込みではない以上、エクスプローラの「ライブラリ」機能などでは使えないし、別のPCへ持って行くとタグ情報は失われる。
一方WLPGは、ファイルの種類で管理の方法が変わるのでややこしいけど、jpegに関してはファイル自体への埋め込みなので、一度タグ付けをしたらそのファイル自体がずっとタグを保持するし、ライブラリでも読み込んでくれる。
ファイルへの埋め込みはちょっと気持ち悪い気もするけど、Win7のライブラリ機能は結構便利なので重宝する。

その他の機能

Webサービス連携

PicasaGoogle系、WLPGはMicrosoft系のWebサービスと連携しており、ほぼ似たようなもの。
もっとも、WLPGはWindows Live Space以外にもFlickrに画像アップロードできるので、Flickrを使ってる人にはWLPGの方がいいかもしれない。Youtubeにはどちらも対応している。
その他メールやブログとの連動は、両社の提供しているサービスと連携しており、Webメールのアドレス帳と人物タグを同期させることもできる。

検索対象フォルダの設定

Picasaは自由。WLPGは「マイピクチャ」「マイビデオ」が対象から外せない仕様。
WLPGの仕様は、嫌な人には嫌だろう。自分はマイピクチャを活用してるからいいが、それでもパブリックユーザーの「マイピクチャ」まで外せないのは辛い。

重複画像検索

Picasaのみ搭載している。どうやら完全一致ファイルしか抽出できないらしい。

まとめ

  • Picasaが良い場合
    • 顔認識機能を活用したい(人物タグを簡単につけたい)
    • 厳密なフォルダ管理をしておらず、タグも割と大量・無秩序
    • gifも扱いたい
    • Google系サービスと連動したい
  • WLPGが良い場合
    • 顔認識にこだわりが無い(人物タグの設定に手間がかかってもいい)
    • フォルダ管理と併用し、ある程度秩序立ててタグ管理したい
    • エクスプローラのライブラリ機能を活用したい
    • MS系サービス(+Flickr)と連動したい

自分はWLPGの方が総合的に好みだったので、こっちを使うことにする。

追記:2010/10/03

結局その後、どちらでもなくat_pictureを使うようになった。