Web上の機械翻訳は著作権侵害になるか?

原文が著作物として成立する以上、翻訳もまた著作権の範囲にあって、勝手に翻訳したものを公開しちゃいけないわけなんだけど、じゃあそこらの機械翻訳はどうなるんだって話。まぁ自分自身が清廉潔白じゃないから、大きいことは言えないんだけど。
今はURLを打ち込むことでそこにあるページを翻訳して表示してくれるサービスがたくさんあるけれども、これも立派な著作権侵害じゃなかろうか。特に自作小説とか公開してるサイトとかの場合。仮にこれが人力で翻訳され、人力でサーバーにアップされてたとしたら、「ちゃんと許可取ってんのか?」と多くの人が心配になると思う。更に、出版物を勝手に翻訳してアップしてたら、十中八九「通報しました」とか言われる。ところが、機械翻訳については誰も何も言わない。具体的な問題が起きてないからというのもあるだろうし、便利だから容認する風潮もあるのかもしれない。けど、事実そのものはやっぱり著作権侵害じゃないのか。
と言いつつ、やっぱり機械翻訳著作権侵害に当たらない、と思う。何故か。それは、「翻訳が滅茶苦茶」だから。国内の翻案権侵害についても、原文と大きく違えば侵害にならないという判例があった気がする。今の機械翻訳は、はっきり言って逐語的にすらまともに翻訳できてないし、文法の通った形で表示されることはほぼ皆無。もはや「翻訳」とは言えないレベルだ。だから、あれは翻訳に当たらず、著作権侵害にもならない。
けど、技術は日進月歩で進化するわけで、いつの日か人が翻訳したかのような美しい翻訳文を提供してくれる機械翻訳が誕生するかもしれない。するとそれを利用して多くの人が他言語のテキストを読むようになる。それを快く思う著作者も多いだろうが、文学的こだわりを持つ者ならばやはり、自分の意図しない、納得していない翻訳文を自分の文章として読まれるのを不快に思う者もあるだろう。その時、機械翻訳著作権侵害の問題に直面するに違いない。